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1日1万歩? 歩いて健康をつかみ取ろう!

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厚生労働省の「21世紀における国民健康づくり運動【健康日本21】」の報告では以下のことが紹介されています。

身体活動量が多い者は、運動をよく行っている者は、総死亡、虚血心疾患、高血圧、糖尿病、肥満、骨粗鬆症、結腸がんなどの罹患率や死亡率が低いこと、身体活動や運動がメンタルヘルスや生活の質の改善に効果をもたらすことが認められています。

 

更に高齢者においても歩行など日常生活における身体活動が、寝たきりや死亡を減少させる効果があることが示されています。

 

 

どれくらい歩けばいいの?

海外の文献では身体活動量と死亡率などの関連をみた疫学的研究の結果から「1日1万歩」の歩数を確保することが理想的とされています。日本では目標平均歩数を1日あたり男性は9000歩、女性は8500歩と掲げられています「健康日本(第二次)」。65歳以上の高齢者の場合は男性が7000歩、女性は6000歩を推奨しています。

 

成人の一日当たりの平均歩数は男性は6846歩、女性が5867歩です。(平成29年度国民栄養調査)目標値と比べると1000歩不足しています。10分のウォーキングでだいたい1000歩の距離となるため、普段の生活に20~30分程ウォーキングの習慣を身につけると不足分を補うことが出来ます。

 

 

「1日1万歩」の根拠

海外の文献では週当たり2000kcal(1日あたり約300kcal)以上のエネルギー消費に相当する身体活動が推奨されています。歩行時のエネルギー消費量を求めるためのアメリカスポーツ医学協会が提示する式を用いて、※体重60㎏の者が、時速4㎞(分速70m)、歩幅70㎝で10分歩く(700m、1000歩)場合を計算すると、消費エネルギーは30kcalとなります。つまり1日あたり300kcalのエネルギー消費は、1万歩に相当します。

 

※水平歩行時の推定酸素摂取量(ml/kg/分)=安静時酸素摂取量(3.5ml/kg/分)+0.1×分速(m/分)

体重60㎏の者が、分速70mで10分間歩くと6300mlの酸素を摂取する

「酸素1リットル当たりのエネルギー消費量=5kcal」に当てはめると約30kcalのエネルギー消費量に相当する

 

参考)
Paffenbarger RS Jr et al: Physical activity, all-cause mortality and longevity of college alumni. N Engl J Med 1986;314:605-613

 

どの世代も同じ負荷量でいいの?

年齢に応じても必要な負荷量は変わってきますし、そもそも、ただ歩けばいいという訳でもありません。

また、運動のしすぎは慢性的な疲労を招き、免疫力を低下させますし、負荷が強すぎると活性酸素を増やし、身体の老化を早めてしまいます。

 

ほとんどの年代、特に中高年以降の年代の人にとって「なんとか会話ができる程度の速歩き」がその人にとっての中強度の負荷、つまり適した負荷の目安となります。