認知症対策に必要なこととは・・・!?
前回の記事で認知症について紹介しているので、合わせて読んでいただけると幸いです。
過去の記事を読んでくださった方は何となく想像できるかもしれませんが、認知症対策に必要なもの…それはアレなんです!
そう、「運動」です!
それでは具体的に認知症について紐解いていきましょう。
- 認知症に対するリハビリテーション
- 認知症の方に関するケアの原則
- 社会参加・余暇活動・精神活動の認知症予防効果
- 認知症機能低下予防に有効な食事
- MCI(軽度認知症)の危険因子と防御因子
- 運動による認知症予防効果
認知症に対するリハビリテーション
私たち理学療法士が認知症の既往がある方に対してリハビリを行う上で以下のことを気にかけています
脳を活性化して生活能力の維持・向上させるリハの原則
- 快刺激であること
- 他者とのコミュニケーション
- 役割や生きがいの付与
- 正しい方法を繰り返しサポートすること
認知症の方に関するケアの原則
知人や家族が認知症を発症してしまうと身近な人たちはどう接していいか分からなくなったり、時にはイラついてしまうこともあるでしょう。
しかし、周りの人以上に当事者である本人が一番不安を抱えています。認知症が進行してしまっても人生の先輩であったり、大切な家族であることには変わりありません。
認知症の方と接する時には以下のことに気をつけましょう。
- 尊厳:その人らしく生きられる支援
- 安心、生の充実:叱咤されない環境で安心、快適に
- 自立支援:残存機能を見極めて、役割付与により心身の力の発揮を支援
- 安全・健康・予防:再発に注意して安全・健やかなQOL(生活の質)の達成
- 家族や地域とともに進むケア:なじみの暮らしの継続
社会参加・余暇活動・精神活動の認知症予防効果
多くの研究で以下のことが予防効果があると示されています。
・社会参加が積極的なほど認知症発症率が低下し、認知機能の低下を抑制する
・編み物、旅行、ボードゲーム、園芸などの余暇活動が認知機能低下の予防に効果がある
学生時代に「平日の朝早くからグランドゴルフなんて年寄りなのにげんきだなぁ~」と思いながら自転車を走らせていた記憶があります。農家の方も80歳、90歳になっても現役で仕事をしている人も多いです。
よく、仕事一筋でバリバリ働いていた男性が定年退職してからやることがなくなって、家にこもるようになって認知症が進んでしまった…というような話も聞きます。
生きる楽しみを持つこと、何かしらの役割を持って生活することは認知症を予防する上で非常に大切なことです。
認知症機能低下予防に有効な食事
以前、ロコモ予防として筋量、骨量の不足を予防するために大事な栄養素として食事に触れたことがあります。認知症に関しても食事は重要です。
以下を参照ください。
- 青魚(イワシ、アジ、サバ、ニシン、サンマなど)
- 緑黄色野菜・果実
- コーヒー
- 緑茶
- 適度な飲酒
MCI(軽度認知症)の危険因子と防御因子
認知症の予防のためには当然ながら初期症状の出現を防ぐことが大事です。認知症の発症リスクを高める要素(危険因子)を見直し、予防に効果がある要素(予防因子)を取り入れていくことが大切です。
危険因子
糖尿病、中年期(40~64歳)の高血圧、脂質異常症、うつ、喫煙など
防御因子
定期的な運動、知的社会活動、教育、バランスの取れた食生活など
運動による認知症予防効果
様々な研究で予防に対する効果が伝えられています。
・健常中高年を対象に運動習慣のない群に対して運動習慣のある群は発症リスクを約35%減らすことができる。
(sofi F, et al;J Intern Med.269(1):107‣117,2011)
・運動群はストレッチ群に比べて1年間後に海場体積が優位に増加した。(有酸素運動群は約2%増加、ストレッチ群は約1%低下)また、体力が増大するほど海馬体積が増え、海馬体積が増大するほど記憶力が向上する。
(Erickson Kl al.PNAS 108:3017~3022,2011)
これらを見ると、今からでも運動しなければ‼と危機感が募るのは私だけでしょうか?
次回は具体的な運動方法について紹介します。